インターネットでの情報について(毛細血管のけいれん?)

インターネットでゴム紐症候群(ゴムひも症候群)について調べるとこんな記載がいくつも見つかります。

 

引用開始

「パンツなどの肌着に使われている、伸び縮みするゴムひもが、

絶えず体に持続的な刺激を与えて、毛細血管のけいれんを招き、

その結果、引き起こされる全身のさまざまな症状や病気をいう。」

引用ここまで

 

…毛細血管のけいれん?

見元先生が「毛細血管のけいれん」と書かれた事があったのでしょうか?

 

手元の資料は大分読み込んでいると思うのですが、

「毛細血管のけいれん」という表記は記憶にありません。

 

近い表現では「〜ゴム紐による血管の痙攣状態がつづいたり、閉塞がおこったりすると〜」と書いている箇所がありますが毛細血管の痙攣ではありません。

 

このまとめは現代用語の基礎知識が作製していた月刊基礎知識の2003年4月号に載っていた物が元(最古)の様です。

 

1992年版の項目が2003年にネット上に掲載されたという事なのでしょうか?

 

そしてこれは1991年から流行った脱パンツ健康法に対応した項目だったようで、

最後の部分は

 

引用開始

『脱パンツ健康法』は、91(平成3)年春ごろから、一部の健康雑誌がはやし立てて大評判になり、

札幌の一医師の発想のように伝えられているが、実は、すでに10数年前の77(昭和52)年6月、

高知市の内科開業医M氏が「実地医家の会」で、「ゴムひも症候群」として発表したもの。

腹部にゴムひもを使用したときに起きる病気は『横行結腸症候群』と呼ばれ、

出現する症状は全身いたるところに及んでいる。

引用ここまで

 

となっています。

 

なんだこれ?

…気をとりなおして

手元の資料から訂正を試みます。

 

ゴム紐症候群の発表は昭和52年6月12日の実地医家の会ではありません。

その前月である5月3日に「健康であるために ゴム紐症候群について」の初版が発行されています。

     (更に言うならばゴム紐の害についてはそれ以前の著書や論文、寄稿文にも書かれている)

 

元 ゴムひも症候群

正 ゴム紐症候群

 

元 パンツなどの肌着に使われている、伸び縮みするゴムひもが、

正 身体にゴム紐があるとき

 

元 絶えず体に持続的な刺激を与えて、

正 身体は持続的な刺激を受け、

 

元 毛細血管のけいれんを招き、

正 高木皮膚圧反射、レイリー現象に続き、セリエの適応症候群、岡林遷延感作などをおこし

 

元 その結果、引き起こされる全身のさまざまな症状や病気をいう。

正 抵抗減弱部から発症、続いて多彩な症候を惹きおこす。これをゴム紐症候群という。

 

つなげると

 

ゴム紐症候群

  身体にゴム紐があるとき身体は持続的な刺激を受け、高木皮膚圧反射、レイリー現象に続き、

セリエの適応症候群、岡林遷延感作などをおこし

抵抗減弱部から発症、続いて多彩な症候を惹きおこす。これをゴム紐症候群という。

 

と、まあこんな感じでしょうか?