病気の原因をさぐる

「ゴム紐使用後医師になった人達は、病気の原因を探求するときとんでもない方向にいきかねないと思います。」2頁より

「私は軍隊生活を経験しましたので正常の方向にむかって患者を診療していく習慣が出来てしまいました。
病気のほうへむかって患者を診療していくのは感心しません。」16頁より

「私達医師はいつも正常の方に向かって患者を診療することが大切で、いろいろ病名をつける前にゴム紐、お天気、病巣扁桃、禹歯等患者の心の負担にならない病名をつけてやることが重要と考えます。」55頁より

EBMもNBMもひとまとめにしてその根幹を揺るがす、それどころか現代を生きる我々の在り方そのものに既に問題があるというのが見元先生のいうゴム紐症候群なのでしょうか。

最近、虫歯や歯周病が免疫疾患を引き起こす機序や原因物質が報告されています。
扁桃摘出も見直されて幾つかの疾患ではその高い改善率も報告されています。

見元先生は腸壁の崩壊による蛋白の崩壊吸収が遷延性感作を…との仮説を昭和43年に発表していますが、現代ではLGSへの関連も語れそうです。

見元先生が亡くなられてから四半世紀が過ぎましたがもしかしたらようやく、ゴム紐症候群を証明できるようになってきつつあるのかも知れません。